健康寿命とは
健康寿命とは、健康上に問題なく日常生活を自立して送れる期間のことを指し、亡くなるまでの寿命とは異なった意味を持ちます。
厚生労働省によると、現在、平均寿命と健康寿命の差は男性で約9年、女性で約12年の差があるという結果が出ています。つまり、差であるその期間は寝たきりや認知症など日常生活に制限のある期間ということです。
いくら長生きをしたとしても、健康寿命が短ければ医療や介護を必要とする期間が長くなります。身体的にだけでなく、精神的にも経済的にも個人や家族への負担が大きくなります。
医療の発展とともに以前よりもさらに長寿国になった日本でも同時にこのような問題が隠れています。高齢化社会が進んでいる今、どのようにして健康寿命を延ばしていくかがそれぞれの課題になります。
健康寿命が短くなる要因は?
最近話題の「フレイル」や「ロコモティブシンドローム」などの言葉を聞いたことはあるでしょうか。
フレイル
加齢に伴い、心身の衰えた状態のことで、要介護になる一歩手前です。
・筋力の低下
・疲れやすい
・意図しない体重の減少
・歩行速度の低下
・身体活動量の低下
の5項目があり、3つ以上当てはまるとフレイル、1つまたは2つ当てはまるとフレイルの前段階とされます。さらに、身体的な変化だけでなく、気力の低下などの精神的変化も生じます。これらは相互に関連し合い悪循環となりますが、早期に気づき、適切な対処で症状を改善できる可能性もあります。
ロコモティブシンドローム
「運動器症候群」ともいわれ、加齢や筋力体力の低下などで生じる運動器の障害により移動機能が不足したり衰えたりする状態のことです。骨、筋肉、関節、血管、神経などの様々な疾患が含まれます。(転倒による骨折など)
年齢や生活習慣なども影響してきますが、これらがきっかけとなり寝たきり状態や認知症など介護が必要な状態へと進み、健康寿命が短くなってしまうのです。
生活習慣病を予防しよう!
現在に至るまで日本において死亡原因の上位を占めるのは、悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管障害などです。これらは、生活習慣病が原因とされることが多いと言われています。
・適度な運動の習慣をつけておきましょう。
・栄養バランスの整った食事をこころがけ、過度な飲酒は控えましょう。
・定期的な健康診断の受診で早期発見・早期治療をしましょう。気がつかないうちに病気は進行しています。悪い傾向が早期に分かれば、生活習慣を見直すきっかけとなります。
・歯周病予防も大切です。口腔内の細菌は万病のもとです。清潔に保ち丈夫な歯で好きなものをおいしく食べましょう。しっかり噛むことで脳への刺激も入り認知機能もサポートしてくれます。
・その他にも禁煙、十分な睡眠、ストレスをためない工夫も大切です。
また、社会参加を通して生活機能の向上を目指すことも大切です。高齢になると、仕事も退職し、家族と離れて暮らすなどの環境の変化で社会とのつながりが少なくなります。出かける機会が減ったり人と会うのが億劫になったりと心身ともに悪循環のリスクが高まります。趣味活動や地域の集まりに参加することで脳の活動も活発にしてくれますが。参加の機会が増えれば運動量が増え心身機能が向上し、更なる活動範囲の拡大につながります。
どうして運動が必要なの?
適度な運動は筋力や心肺機能の強化、血流改善などにより基礎代謝を高めます。筋力増量や柔軟性が向上することで怪我や転倒リスクを防ぎます。また、血圧や血糖値、中性脂肪、尿酸値などの改善効果も期待されます。健康寿命を考えた時、生活習慣病やフレイル、ロコモなどの対策として運動が共通して挙げられます。
また、年齢を重ねるごとに筋力や柔軟性の低下、視力低下、薬の副作用などからバランス機能が低下し転倒しやすくなります。高齢者の転倒は骨折や手術に繋がることが多く、寝たきり状態や認知症などの健康寿命を短くする引き金になることが多いです。適度な運動を続けて転倒予防を心がけましょう。
・簡単な体操 →腕振りもも上げ、スクワット、踵上げ(背伸び)、ラジオ体操など
・有酸素運動 →散歩や水中ウォーキングなど
可能であれば、15分~30分程度で週に3回以上、軽く汗ばむくらいが最適です。有酸素運動も筋力や体力の向上、血糖値や脂肪の軽減、ストレス解消などの効果があり、生活習慣病には効果的です。
運動と考えると、つらいイメージがありますが、適切な運動量には個人差があるので無理せずに簡単で続けられる運動から試してみるとよいです。20代のうちから身体機能の低下は始まっていると言われています。個人差はあるでしょうが、筋肉は年齢を重ねても使えば肥大しますし、使わなければ弱化します。今からでも少しずつ始めてみてはどうでしょうか?
健康寿命を延ばしたい、あなたへ
ボディサロン陽では、一人ひとりに合わせた運動療法でお困りの症状を解決するとともに、自宅での生活のポイントなどもお伝えしています。ご自分のお悩みでもご家族のお悩みでもぜひ、お気軽にご来院ください。
コラム執筆・監修者
株式会社陽の手
整体院 Body Salon 陽
代表取締役 内山陽介
厚生労働大臣認定 理学療法士
【経歴】
2008年 理学療法士免許取得
2021年 整体院 Body Salon 陽 開業
2023年 株式会社陽の手 設立
【資格・修了】
●日本理学療法士協会
• 運動器認定理学療法士(2017年取得)
• 介護予防推進リーダー
• 地域ケア会議推進リーダー
• フレイル対策推進マネジャー
●日本救急医学会
• ICLSコース修了
●International Schroth-3dimensional Scoliosis Therapy®︎(国際シュロス3Dセラピー)
• 国際認定シュロスセラピスト(側弯症)
●DGMSM-JAPAN(ドイツ筋骨格医学会日本アカデミー)
• LBB全コース&HAS全コース修了
●Japan Fascial Manipulation® Association(日本筋膜マニピュレーション協会)
• LEVELⅠ、LEVELⅡコース 筋骨格系全コース修了
●IPNFA(国際PNF協会)(PNF:固有受容器神経筋促通法)
• LEVELⅣコース修了
●日本胸部外科・呼吸器・麻酔科学会合同
• 呼吸療法認定士
●NASM(全米スポーツ医学協会)
• PES(パフォーマンス強化スペシャリスト)
●日本パラスポーツ協会
• 公認パラスポーツ指導員
●ヨーロッパ ゴルフフィジオセラピー&ゴルフメディカルセラピー協会ジャパン
• ゴルフフィジオトレーナー
●Dr. Vodder Academy International
• リンパ浮腫MLD/CDT認定セラピスト
●ライフプランニングセンター(厚生労働省後援)
• がんのリハビリテーション研修修了
• 新リンパ浮腫研修修了
●がん研有明病院
• リンパ浮腫研修修了