そもそも、インソールの効果とは?
インソールとは靴の中敷きの事です。靴を履いて立っている時に、足と靴の間に入ることで足をまっすぐにしたり衝撃を吸収してくれたりと、身体への負担を軽減してくれます。
足には片方で28個の骨があり、両足では56個もあります。全身の骨が206個あるうち、小さいエリアであるにもかかわらず約27%の骨は足に集中しています。多数の小さい筋肉が存在し、骨同士の崩れを支える靭帯と共にとても繊細な動きを行います。頭から足まで全身のバランスをとっているのが土台である足の役割です。
足の崩れが全身の不調に関連していることは容易に想像できると思います。知らずしらず毎日、少しの足の崩れがストレスを身体に蓄積させることで、頭痛や腰痛、膝痛などの原因となります。
医療用インソールは、使用目的によって2つに大別される
医療用インソールは、医師と義肢装具士、理学療法士によって作成される物も多いですが、その違いはなんでしょうか?
一番の大きな違いは、医師と義肢装具士で作成するインソールは「止まっている状態」で足を評価して作成する。
対して、理学療法士が作成するインソールは「動いている状態」で評価して作成するという事です。
一般的なインソール
義肢装具士が作成するインソールは、座っている状態や立っている状態で足形を採型し、その人の足裏の形に合わせて作製します。簡単な動きを評価し、履いている時の違和感や当たる所がなければおおむね完成となる事が多いです。
街中のスポーツ用品店でも3D足形計測やオーダーメイドインソール作製などの広告が目に入るようになってきました。これらの多くは、足の形を計測したのち足型の上に熱で柔らかくしたインソールを置き、その上に乗る事で足の形に合った物を作るという作製方法が多いです。
どちらも、ほぼ「止まっている状態」を評価するものです。確かにこのインソールでも、使用前よりは身体が動きやすくなる方は一定数いらっしゃいます。
ただし、「動いている状態を評価していないこと」には注意が必要だと思います。
本来の動いている『歩き』に必要な、踵から着地した足の角度や爪先で蹴る時の動きには対応しきれていない事を、病院勤務の頃からたくさん経験し、目の当たりにしてきました。目的に合ったインソールを選ぶことが、あなたの最大の身体パフォーマンスを引き出すことに繋がります。
当院のインソール
当院が作成するインソールは、医学的な解剖学(構造)・運動力学(ベクトルや関節モーメント)の知識をもとに、患者様の痛みや動きづらさの訴えに合わせて、動作を見る事から始まります。
裸足や靴を履いた状態で歩きとお困りの動作を行っていただき、元々の足の崩れと問題となっている動きとの共通点を分析し見つけます。一度、テーピングやパットを足裏に貼る事で、足底から刺激入力を行い、徐々に理想とする動きに変化させていきます。
疼痛除去や動きの改善がしっかり行えたかを評価したのちに、完成となります。
(写真は足の問題点を評価している一場面です)
私の足に合うインソールに出会えていない、あなたへ
人間の足裏は、小石1つ入っただけでも歩きにくくなるほどに敏感で感覚が鋭い部分です。そこからの刺激入力を正しく行う為に、当院では足にある3つのアーチを支えるアーチパットと、足の骨や筋肉に合わせた付加パットを貼り合わせていきます。
足にある付加パットは踵~指先まで様々な場所に使用していきますが、入れる大きさや厚さによって効果は大きく変化します。大きさは必要以上に大きすぎると動きづらくなり、小さすぎると何も変わりません。厚さに関しても0.5㎜ずつ厚さの違うパットをご用意し、繰り返し動きを診ながら貼り合わせる事で最適な動きへと導いていきます。
パット調整を繰り返しながら、動作を評価させていただき、「動いている状態」を変化させる手作りのフルオーダーメイドインソールが当院の特徴となっています。是非お気軽にご相談下さい。